あの「あぶ刑事(デカ)」の二人が探偵となって帰ってきた。8年ぶりの新作で、伝説のバディがたどり着いた場所とは──。AERA 2024年5月27日号より。
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「なんだか、取調室みたいだな(笑)」──スタジオの一角に置かれた机とライトを挟んで向かい合った記者たちを、舘ひろしさん(74)は開口一番、渋い声で笑わせた。その隣に軽やかな身のこなしで柴田恭兵さん(72)が腰を下ろす。ああ、リアル「あぶ刑事」が目の前にいる!
感覚的には3年ぶり?
柴田恭兵:新作を作ると聞いて最初は「もういいんじゃない? 柳の下にどじょうは何匹もいないんだから」って思ったんです。でもタカとユージ、どちらかの娘かもしれない女性を登場させたいと言われて「ちょっと面白いな」と。二人のお父さんの顔や想いみたいなのが出たら素敵かなと思ったんです。
舘ひろし:僕はオファーをいただいて、すごく嬉しかった。また恭サマと一緒にできる!って。体力的にちゃんとできるかどうかは心配だったんですけど。
柴田:でも8年ぶりな感じはしなかったんですよね。感覚的には3年ぶりぐらい?って。
舘:そう。年取ると一日が短いから、ほんとに(笑)。
「あぶない刑事」、通称「あぶ刑事」は1986年にテレビドラマとしてスタート。ダンディーなタカ(舘)とセクシーなユージ(柴田)のバディぶり、スタイリッシュかつコミカルな作風で大ヒット。映画シリーズも7作を数えた。8作目である最新作は、定年退職し探偵となった二人の前に、娘かもしれない彩夏(土屋太鳳)が現れるところからはじまる。二人のバディぶりは8年のブランクを感じさせない。
舘:会った瞬間にタカ&ユージになれますね。僕らは基本的にプライベートであんまり会ったりしないから。
柴田:テレビシリーズのときから「みんなで飲みに行かない?」ってことが本当に一回もないんですよ。浅野(温子)さんや(仲村)トオルくんとかも。でもその距離感があるから、きっといつも新鮮で仲良くし続けられているんだと思います。