舘:みんながお互いにないものを支え合っているという気がします。僕には恭サマみたいなお芝居は絶対にできない。軽快でリズム感があって。ある種の憧れ、リスペクトみたいなものはあります。
柴田:最初に舘さんと出会ったのは40年くらい前。原宿のプールバーに食事に行ったら舘さんが金髪の美女を連れてふらっと入ってきた。すっごいかっこよかったんですよ。うわ、ダンディー!って。
舘:(必死に笑いをこらえながら)やめてくださいよ〜。
ヘロヘロがカッコいい
柴田:そのあと「あぶ刑事」を一緒にやれることになって、いままでずーっと変わらずダンディー。舘さんは僕にない太さや強さ、懐の温かさみたいなものを持っている。そして女性のことしか考えてない(笑)。
舘:それは否定しませんけど。
まさにタカ&ユージの38年の歩みをみているようだ。
柴田:タカもユージも頑張って作り上げたキャラクターではないからですね。それにどんなに馬鹿馬鹿しいことも全力をあげてやりましょう、っていうのが変わらない“あぶ刑事魂”で。
舘:そう、くだらないことを一生懸命真面目にやるのが“あぶ刑事スタイル”。今回は監督もスタッフも若いから演出の方法とかカメラワークとかもまったく違う。スピード感やリズム感も、若い世代が観ても楽しめるようにできてると思う。
柴田:土屋太鳳さんの演技も体のキレも素晴らしかったし。
舘:敵役の早乙女太一くんも昔ながらの悪役とは違う。線が細くて、それがよかった。でも「あぶ刑事」って昔からそういう犯人を追いかけてるんですよ。
柴田:第1話も高校生みたいな犯人だったよね。そういうところもあの時代から「あぶ刑事」は新しかったんだなと思います。
アクションシーンでは70代とは思えない切れ味をみせる。いっぽうであえて「老い」をネタにした会話も笑いを誘う。
舘:最後に二人でジャンプをするじゃないですか。 あれ、思ったより跳べないんですよ。カメラがすごい下から撮ってる。
柴田:たしか50センチくらい。それを合成でグッ、とうまくやってもらって。