舘:僕はオートバイに乗るくらいでたいしたことはしてない。普段も特に身体にいいことしていないし。でも恭サマは大変だったと思う。変わらずにあれだけ走れるのは素晴らしいですよ。

柴田:僕は昔ほどキレがなくてもいいし、走るのも遅くてもいいと思って。70過ぎた二人の元刑事の話ですから。ヘロヘロでもそっちのほうがカッコいいんじゃないって。ただ僕はずっと草野球をやってたので、怪我しないように軽いストレッチはいつもしてます。

全く違うから面白い

 それぞれの俳優としての歩みや変化をどう見ているのだろう?

舘:二人で並んでると似てるように見えるんですけど、僕らは基本的にはすごく離れてる。俳優としての立ち位置もお芝居の仕方も全く違うと思うんです。だから一緒になると面白い。

柴田:舘さんは芸達者になりましたね。いや、基本はもちろんすぐになんでもできる人だけど、どうしても年を取ると守りに入りがちで、今までやってきたことを丁寧にやりたくなる。でも舘さんはそんなことなくて、新しいものにどんどんチャレンジして、素敵だなって思います。

「あぶ刑事」の魅力を二人はどう考えているのか。

柴田:映画ってもっと楽しくていい。「あぶ刑事」はちょっと落ち込んだときとか、恋人と一緒に観られるからおすすめです。

舘:いまなかなかこういう映画ってないでしょ。ストーリーもアクションも馬鹿馬鹿しいけど楽しくって、それでいて根っこにはハードボイルドがある。ぜひ皆さん観ていただきたいと思います。

柴田:9作目ですか? 舘さんが「やるぞ!」って言ったら、みんな即、集合しますよ。

(構成/フリーランス記者・中村千晶)

AERA 2024年5月27日号

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