【Before】大量の洋服と床置きのモノたちでいっぱいのクローゼット(写真:安田さん提供)
【Before】大量の洋服と床置きのモノたちでいっぱいのクローゼット(写真:安田さん提供)
【After】段ボール10箱以上を手放してケースにスッキリ収納(写真:安田さん提供)
【After】段ボール10箱以上を手放してケースにスッキリ収納(写真:安田さん提供)

「今までだと、最後にして結局終わらないパターン。でも今回は、逃げちゃいけないって思いました」

 ウォークインクローゼットに入ると、今まで絶対に手放せなかったモノが急に「いらない」と感じられました。他の場所でたくさんのモノを手放した経験が生かされたのです。

「不要なモノをドアの前に集めたら大量すぎて開かなくなって閉じ込められましたけど(笑)」

 45日間を走り抜けると、家の中はスッキリ。モノの場所と量が把握できているので、探し物が減ってストックの買いすぎもなくなりました。キッチンは洗う、作る、サーブする、などの動線に沿ってモノを整理して、料理の時短と負担軽減に成功。

 さらに、「得られたのは片づけの知識だけじゃない」と話してくれました。

「頭の中も整理できるようになりました。優先順位をパッと決められるので、仕事もプライベートも自分のキャパを超えない。以前は無理することもあったけれど、今は自分を大切にできていると感じます」

 家で子どもたちと一緒の時もスマホを片手に仕事のメールを返していましたが、なるべく家の外で仕事を終わらせることで、子どもたちとの時間が充実。怒る回数もグンと減りました。

 苦手なことに向き合うのは、精神的にも体力的にも大変なこと。できるなら目を背けたままでいたいでしょう。

「でも、自分のそういうところを受け入れて、かみ砕いて、一つずつ向き合いながら変えていくと、人生も変わるんだなと思いました」と話す美沙子さん。今は、少しでも時間があれば片づけを始めるほど、日常的なルーティンになっています。

「まだまだですけどね。これからもブラッシュアップして理想的な家と自分をめざします!」

 片づけられない自分に向き合わないと、現状は変わりません。自分を変えるために一歩を踏み出した美沙子さんの姿は、同じように悩む人を勇気づけてくれるはずです。(お片づけ習慣化コンサルタント・西崎彩智)

AERA 2023年1月2日号-9日合併号

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西崎彩智

西崎彩智

西崎彩智(にしざき・さち)/1967年生まれ。お片づけ習慣化コンサルタント、Homeport 代表取締役。片づけ・自分の人生・家族間コミュニケーションを軸に、ママたちが自分らしくご機嫌な毎日を送るための「家庭力アッププロジェクト?」や、子どもたちが片づけを通して”生きる力”を養える「親子deお片づけ」を主宰。NHKカルチャー講師。「片づけを教育に」と学校、塾等で講演・授業を展開中。テレビ、ラジオ出演ほか、メディア掲載多数。

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