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 新NISA(少額投資非課税制度)で人気の「高配当株」。そのメリットを、より少ない金額から比較的手軽に得られると期待されているのが高配当株ETF(上場投資信託)だ。ただし、高配当株ETFにもいろいろある。また、ほかの金融商品と同じように、メリットばかりというわけでもなさそうだ。そこで投資する際の注意点や注目ポイントについて、専門家に聞いた。

【表】新NISAでも期待!専門家おススメの高配当ETF3銘柄はこちら!

 高配当株ETFは、一般的に高い配当収入が期待できる株式(高配当株)を対象に投資するETFを指す。

 個別株に投資する場合は、銘柄を選ぶのに手間や時間が必要だ。しかし、複数の銘柄に投資するETFなら、より少ない額で投資先を分散できるメリットがある。運用のプロであるファンドマネージャーが投資先の銘柄を選んでくれるからだ。

 高配当株に投資するETFは、そうしたメリットに加え、高配当株から得られる高い分配金が期待できる。高配当株への投資で期待できる一番のメリットは、高い利回りだろう。高配当株ETFなら、それがより手軽な形で得られる可能性があるというわけだ。

 しかも、ETFの分配金は、投資先から受け取る配当金などを原資とするルールがある。そのため分配金によって元本が目減りすることもない。

分散効果は意外と限られている

 ただし、一言で「高配当株」といっても様々だ。大型株もあれば、中小型株もあるし、業種や拠点のある国・地域なども違う。

 高配当株ETFも、高配当株を選ぶ基準はそれぞれ異なる。投資先の企業や組み入れ比率なども、銘柄によって変わってくる。個別株を選ぶほどの手間はかからないとはいえ、きちんと調べる必要がある。

 ファイナンシャルプランナーの横田健一さんは言う。

「高配当株ETFは、実は投資対象が特定の国や業種に集中する傾向があり、『世界株型』など非上場の投資信託に比べて分散効果は意外と限られています」

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池田正史

池田正史

主に身のまわりのお金の問題について取材しています。普段暮らしていてつい見過ごしがちな問題を見つけられるように勉強中です。その地方特有の経済や産業にも関心があります。1975年、茨城県生まれ。慶応大学卒。信託銀行退職後、環境や途上国支援の業界紙、週刊エコノミスト編集部、月刊ニュースがわかる編集室、週刊朝日編集部などを経て現職。

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