取材は千葉ジェッツの専用練習場で。撮影中はチームメートからいじられてはにかむ場面もあったが、表情豊かに自らさまざまなポーズを取ってくれた(撮影/写真映像部・松永卓也)

「合宿やW杯予選を経て痛感したのは、経験の差。僕はそれまでプロの経験も一切なく、レベルの差を感じてしまった。身体能力やシュートの技術とかはそこまで変わらないと思うんです。それだけに、世界で戦うメンタル面の充実や、積み上げてきた経験値の違いが際立っていました」

 今季はプロ1年目として経験を積み、ファンあっての自分と責任感も芽生えた。今、バスケがより楽しくなっていると話す。

「プロではアウトサイドでプレーしていますが、日本人の中では身長が高い方なので外国籍のビッグマンにマークにつくことも多く、大学時代のインサイドでの経験は生きています。すべてをプラスに捉えてプレーの幅を広げていきたいです」

 パリ五輪まで2カ月。自身の立ち位置はわかっている。再びの代表入りへ、モチベーションは高い。

「米国が本気で取りに来るほど、バスケでは最高の国際大会。あまり時間はないですが、アピールしていきたい。僕に求められる仕事は3ポイントシュート。短い出場時間でも100%のプレーが出せるようになれば、パリに行くチャンスはあると思っています」

 将来を嘱望される選手である一方、Bリーグが今年2月に行ったバレンタイン企画「B.LEAGUE モテ男No.1決定戦2024」では歴代最高得票数で1位に輝いた「モテ男」という顔も持つ。女性誌「anan」ではタンクトップから腹筋をのぞかせる写真など、アスリートらしからぬ(?)一面も見せた。取材時、コート上での撮影中にはチームメートから「ちゃんとおなか見せろよ」とからかわれる場面も。

「多くの方に選んでいただいて、モテ男として仕事しないといけないので。今はまだ若いからいいんですが、年を取ってくるときつくなると思うので、だんだんイケオジに路線変更できたら(笑)」

 バスケを語る時とは打って変わって、いたずらっぽく笑った。(編集部・秦正理)

AERA 2024年5月27日号

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秦正理

秦正理

ニュース週刊誌「AERA」記者。増刊「甲子園」の編集を週刊朝日時代から長年担当中。高校野球、バスケットボール、五輪など、スポーツを中心に増刊の編集にも携わっています。

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