「責任って得しかない」
仕事のスキルや経験値以上に、諸沢さんのすごさは、この“胆力”だろう。人の笑顔につながることならできることは何でもやってやる、という思いは執念すら感じさせた。
そして最後に、記者も含めた同年代に対してこんなメッセージをくれた。
「転がってきたチャンスには『面白そう!』って飛びついていいと思います。私も自分で事業を興したわけではないですが、社長就任という転がり込んできたチャンスがあったから、こうして取材をしてもらえるようにもなりました。成功するかなんてやってみなければわからないし、もちろん正解なんてない。だから、責任ある立場を与えられることは自分を大きくするチャンスだと思ってチャレンジしてほしいです。そう考えると『責任って得しかない』と思います。私も社長は“ゴール”ではありません。もっと笑顔を増やせると思ったらそっちに行くかもしれないし。挑戦の途中ですね!」
そう言うと、諸沢さんは「今から接客なんです!」とうれしそうに店舗に戻っていった。
(AERA dot.編集部・小山歩)