新入社員への指導もとにかく一生懸命(撮影/小山歩)

全ての日報を読み全社員の顔を覚える

 もちろん、たけているのは話術だけではない。

 アルバイトから社長になった諸沢さんは、自らに課していることがある。それは「従業員が何を考えるのかを徹底的に知ろうとすること」。通勤時間の1時間半などを使って、必ず全27店舗、計160件ほどの社内日報のすべてに目を通す。また、全店舗、全従業員の顔を必死に覚えるという。それは、自分が目指すべき社長像が明確だからだ。

「(前社長の)西牧会長は、全社員の顔を覚えていて、いろんな社員の意見を知るために各店舗を常に回っていた。そこで店舗の状況を見たり、積極的にコミュニケーションをとって従業員の考え方を大切にしていたり、会社をよくするためにとにかく『知ろう』としていました。私は、その西牧会長の考え方がとても好きなんです。本当は、『社長』って、何でもできて、テキパキとトップダウン式に指示を出させる方が早いのかもしれないけれど、私はそういう社長ではないです。現場で一緒に汗かいたり、私が得意なことは教えるし、苦手なことは私が教えてもらう。数字はもちろん大事だけど、西牧さんが大事にしてきた、みんなで考えられる会社を大切にしていきたい。そういう“寄り添える”社長でありたいなと思います」

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