問題の解決って、風向きとかタイミングを待たなければいけないことが多いように思います。問題が2段階目の時にはまだ手をつけるのが早くて、5段階目ぐらいに達したら、さて本気を出すか、みたいな感じで動いていく。もちろんそこで解決される問題もあればさらに腐敗化していく問題もあります。でも、まだ問題が浅いうちって、何もできないことも多いです。

 もう一つ、具体的なアドバイスですが、自分の中でいま体のどこに力が入りすぎているかをチェックするようにしてください。「職場に近づいたら胃のあたりがこわばってきたぞ」とか「みぞおちに力が入りすぎてるな」とか。確認するだけでもいいし、できるならその力をふっと緩めてみる。常に肩をふにゃふにゃにするような意識でいるとそれが自衛になってくれます。

 ここまで生きてきて、僕は「解決できる問題」なんて実は少ないんじゃないかと思っています。特に他人が関係している問題はいつの間にか解決されるか、いつの間にかなくなるかのどちらかしかないような気がしていて。力を込めるほどさらに揉めてしまう場合も多いです。本当に必要であれば、本気を出して自分が問題に向き合う時だ、と腹をくくるタイミングがいずれ訪れます。それまではちょっとふにゃふにゃしながら、無責任の姿勢を持っておくことも大事な気がするんですよね。

AERA 2024年5月20日号

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しいたけ.

しいたけ.

しいたけ./占い師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究しながら、占いを学問として勉強。「しいたけ. 公式サイト」では月刊占いやコラムを連載中。 https://shiitakeofficial.com/

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