Aぇ! group正門良規[表紙]/週刊朝日2023年5月5-12日号(写真・木村哲夫)

「やってます感」はいらない

──舞台の楽しさとは?

 嘘がないっていうか、確実にお客さんの目の前で起こっているところ。(観客の反応は)日によって全然ちがうし、そのスリルも好きです。

──自分なりの役作りの方法はある?

 役者ゆうても本業はアイドルなんで、そんなたいそうなこと言えないです。今やってることが正解かもわからないし。だって大ベテランの先輩方が、いまだに役作りとは?みたいなことをやってる世界じゃないですか。だからこそ、全部正解としていろんな意見を聞けるから楽しいです。

 役作りって、今何してんねやろうな。まずは台本をいっぱい読んで、(その役が)物語の中でどういう人なのか考える。でも全然決めこまないです。セリフは情報として文字だけ覚えてる状態にする。

 っていうのも、最初すごい考えて考えて現場に行ったときに、監督さんにああしてこうしてって言われても対応できひんかったんですよ。相手の人がどうやってしゃべるかもわからへんから、一回いろんなパターンを想像して、考えてしゃべって練習して、もう現場行ったら全部まっさらにするっていうか、捨てます。

──セリフの暗記法は?

 部屋の中うろうろしながらとか、ずっと立って覚える。暗記力は並やと思います(笑)。不思議なもんで、ドラマは2話3話ってなってくると、パッて見たら(頭に)入っているときとかありますね。

──2022年の主演舞台「ヴィンセント・イン・ブリクストン」では、演出家の方に「心の奥のマグマを爆発させる」一面があると指摘されたとか?

 あ、そうですね。自分じゃ気づかれへんけど、演出家さんが見てて、(役として演じた画家の)ゴッホとリンクするところがあったんでしょうね。こういう部分っていうのは言語化しづらいなー。なんかパンクとかメタル好きな人って、実はけっこう静かな人多いみたいなことかな。内に抱えているものがあるみたいな。

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