吉岡里帆(写真:アフロ)

泥だらけの女優人生

 しかし、そもそも吉岡の女優人生は順風満帆だったわけではない。

 いまでこそ飛ぶ鳥を落とす勢いだが、女優としては遅咲きだった。書道家を目指して京都の大学に通っていたころに芝居に目覚め、小劇場の舞台を踏むところから女優業をスタート。その後、東京の養成所に通いながら、オーディションを片っ端から受け、アルバイトを何個も掛け持ちしながら東京と京都を夜行バスで往復し続けたという苦労人だ。

「映画『明烏』のヒロイン役をつかんだときは、監督の福田雄一さんから『お前は中途半端にブスで、年齢も中途半端で、いろいろ中途半端なんだから、死ぬ気で芝居しなさい』と言われたことで、体当たりの演技をする覚悟が生まれたとか。その後、転機となったのは23歳のときに出演したNHK朝ドラ『あさが来た』。ヒロイン役のオーディションでは落選したのですが、ヒロインの親友役に抜擢され、やっと女優としての足掛かりをつかみました。その後、ドラマ『カルテット』で悪女役を熱演してブレークし、さらに同年放送の『ごめん、愛してる』では一転してはかなげで清純なヒロインを好演。演技の幅の広さを示し、人気を不動のものにしました。見た目からは控えめで薄幸そうな雰囲気すらかもし出すこともありますが、実はがむしゃらに死ぬ気で頑張ってきたからこそ、今の地位を築いたのです。泥だらけの女優人生を歩んできたからこそ、彼女と仕事をしたがる監督や俳優は多いんです」(前出のスタッフ)

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ベテラン俳優も演技に太鼓判