「BLONDE」の衣装は本当にかっこよかった。シルクのスカーフでできたボディコンワンピは、背中、首筋から腰までVの字に肌を見せ、もともと細いウエストラインは太いベルトでさらにシェイプされ、肩パッドの効果もあり逆三角形に。アクセサリーは大きめのイヤリングやゴールドのネックレスやブレスレットを重ね付け。この振り切ったゴージャスさに刺さっている若い世代もいる。
「とにかく色っぽくて艶やかなのに強さがある。今の子には出せない魅力満載のオーラと曲だからです!」(20代・女性)
![](https://aeradot.ismcdn.jp/mwimgs/d/d/840mw/img_dd4afb64fcc32546d99e4c5c644a6e36503512.jpg)
この曲は、「BLONDE-JAZZ-」と題し、ジャズアレンジで公式YouTubeチャンネルに公開された。異なるアレンジで新たなかっこよさが引き出され、時がたっても色あせない魅力のある曲だと気づかされる。1987年度のオリコン年間シングルチャートでは、7位を記録した。
10位 難破船
![](https://aeradot.ismcdn.jp/mwimgs/e/0/840mw/img_e003c65b1603e561bda26ad3262705d71217206.jpg)
そして4曲目。10位に「難破船」(1987年9月30日リリース/作詞・作田:加藤登紀子)があがってくるとは、さすが、珠玉の名曲ばかりの中森明菜だ。「どれか1曲なんて選べない」という声もあったが、それはもっともだろう。
「一曲だけに絞るのは難しかったけど、今回は『難破船』を。加藤登紀子さんの曲を完全に自分のものにし、哀愁いっぱいに歌い上げる明菜ちゃんを毎回見る度には、目が離せなかった。息を飲み込むくらいに。あのパフォーマンスはすべて伝説そのもの」(50代・男性)
当時、歌番組は生放送が多かったが、そんな中でも曲が始まると瞬時に「難破船」の世界に没入する中森明菜に誰もが魅了された。
「当時、明菜さんの歌声とその姿の美しさに衝撃を受けた思い出があります」(40代・男性)
「哀しく重く辛い曲を数分でここまで体現するアイドルを見たことがなかった私にはとても衝撃的でした。魂をすり減らしてこの曲を歌っている姿が脆そうで美しく、目が離せなくなります。アイドルという枠を超えたアクトレスシンガーの楽曲だと思っています」(40代・女性)
「当時小学生だったが、初めて、大人の女性や恋愛というものを学んだと思」(40代・女性)
こんな大人っぽい曲に小学生がくぎ付けになっていたのも、音楽番組がお茶の間の中心にあったからであり、令和ではありえないことだろう。音楽番組『ザ・ベストテン』(TBS系)では1987年10月22日から11月19日の5週連続で1位を記録した。