鈴木:最近はインターネットなどで当たりをつけたりされていると思うんですが、それでも出てこない場合は、お近くの図書館のレファレンスは頼れる手だてだと思います。多くの図書館では登場人物やキーワード等から本を探すためのレファレンスツールをお持ちです。図書館員さんなら、そういったものからも引いてくださると思います。
護得久:大人が子ども時代に読んだ本を探す場合に難しいのは、その人の中で時間をかけて膨らんだものがあることです。だから、もしかしたらストーリーはそうじゃなかったかもしれない、自身の記憶が変わってしまっているかもしれないということも頭の隅に置いて探してみるといいと思います。
鈴木:当館の児童室では、子どもが本のどこを見ているかを日常的に体感することがあります。「まえによんだチキチキブンブンの本が読みたい」って言われた時に『チキチキバンバン』(あすなろ書房)を持っていくと、「もっと小さい本だった」って。結果、『ティッキ・ピッキ・ブン・ブン』(東京子ども図書館)でした(笑)。
子どもの覚え方は多様
ある電車好きの男の子が『いたずらきかんしゃ ちゅうちゅう』(福音館書店)を、『いずらきかんちゃ だいじょうぶ』の本がないかと聞いてきました。きっとその子は、絵本を読みながら「ちゅうちゅう、どこに行くの? 大丈夫?」って思いながら読んだんでしょう。子どもの覚え方は、本当に多様なんです。
護得久:以前、この図書館で一緒に絵本を楽しんだ子が、「6匹のクマさんが出てくる絵本をもう一度読みたい」と。さらに聞いていくと、しましまの服を着ている人がいる大きな本だ、という。実は『ウォーリーをさがせ!』(フレーベル館)だったんですが、「6匹のクマ」が主人公だと思ってしまうと、なかなかたどりつけないんですよね。あの日に読んでもらった本ということであれば、私がいればすぐに「このまえ読んだ『ウォーリーをさがせ!』だよね」となるんですが、その時はたまたま別の図書館員が対応したんですよね。
鈴木:誰といつ読んだか、ということも大きなヒントになると思います。