2022年11月、十一代目市川海老蔵は十三代目市川團十郎白猿を襲名し、名実とともに歌舞伎界を引っぱる存在となった。
「『團十郎』というのは歌舞伎の世界で一番大きな名前ですからね。團菊祭を背負っているという気持ちもあり、それが言葉の端々に出てきているんじゃないのでしょうか」(Iさん)
一方、團十郎さんが会見のなかで、
「役と個人とは全く関係ない」
と言ったのには訳がありそうだ。Iさんがこう話す。
「実を言うと私は、團十郎さんをスキャンダルでしか取材していないんですよ」
Iさんは、大学在学中に歌舞伎座を運営する松竹でアルバイトを始め、その後社員になり5年ほど勤務した後に女性週刊誌の記者に転身。1988年からテレビで芸能リポーターとして活躍してきた。
当然、芸能スキャンダルを多く扱い、團十郎さんについても例外ではなかった。
私のことが不愉快というのもあったかもしれない
「團十郎さんがまだ『海老蔵』だったころ、何度となく女性との浮名を流しましたからね。2003年に、4歳年上の元女性歌手との間に隠し子がいることが発覚したとき、本人のところへ行って直撃したこともありました。團十郎さんは会見を開いて、子どもを認知していることを認めた上で、『結婚はありません』とか言っていました。他にも取材はしたけど裏が取れずに公表しなかったこともあります」
10年11月、團十郎さんが東京・西麻布で飲んでいたとき、「半グレ」と呼ばれる元暴走族らともめ、頭や顔などを殴られたり、蹴られたりして、1カ月以上の重傷を負った事件が起きた。團十郎さんは入院し、大騒動となった。
Iさんは、
「このときも私はテレビのワイドショーで、暴行事件を何度も顔出しでリポートしたから、團十郎さんはなんとなく私のことを覚えているんじゃないでしょうか。スキャンダルを何度も取材したから、私のことが不愉快というのもあったかもしれない」
と過去の経緯を踏まえ、独自の見解を述べた。