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 ランキングのトップは三井住友トラスト・アセットマネジメントの「ニュー配当利回り株オープン」(愛称・配当物語)。直近1年のリターンは55.3%で、TOPIXの41.3%を10ポイント以上上回った。業績や配当の安定性を重視し、予想配当利回りが市場の平均よりも高い銘柄や、増配などによって株主還元策の強化が予想される企業を中心に投資する。運用会社の月次レポートによると、組み入れ銘柄の上位には三菱UFJフィナンシャル・グループやトヨタ自動車、ソフトバンクなどが入っている。

 2位は三菱UFJアセットマネジメントの「日経平均高配当利回り株ファンド」で、リターンは54.6%。日経平均株価の採用銘柄225社の中から、予想配当利回りの上位30銘柄に投資する。月次リポートによれば、3月末時点の組み入れ銘柄トップは三井住友フィナンシャルグループだった。この投信はモーニングスター社が実施する表彰制度「モーニングスター・アワード2024」で日本株式部門の優秀ファンド賞を受賞している。

 3位はカレラアセットマネジメントの「カレラ成長日本列島株式ファンド」。投資の対象は、事業の内容や成長性、収益性、財務の健全性などを考慮して決めるという。3月末時点の組み入れ銘柄上位には三菱重工業やトヨタ自動車、デンソー、三菱商事などが入っている。1年間のリターンは53.8%だった。

モーニングスター・ジャパンの元利大輔マネジャー・リサーチ部長は次のように分析する。

「直近1年間の上位には『高配当』や『バリュー(割安)』といった株価の割安度合いを重視する銘柄に投資するタイプの商品が多い。東京証券取引所が昨年、株価純資産倍率(PBR)が1倍割れしている企業に是正を要請したこともあり、資本効率の向上や株主還元姿勢の強化に乗り出す取り組みが活発になりました。そうした銘柄を組み入れるファンドのパフォーマンスが向上するのは当然とも言えます。その意味では、上位にはトガった戦略を打ち出しているような投信は多くないかもしれませんね」

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ならば、5年のリターンは?