作家の司馬遼太郎と昭和天皇のやり取りも興味深い。『週刊朝日』に連載されていた、「週刊司馬遼太郎」には妻の福田みどりさんの著書からこんなエピソードを紹介している。
〈赤坂御苑の園遊会に招かれたときのこと。やや緊張していた司馬さんに対し、昭和天皇は意外な言葉をかけている。
「元気そうだね」
みどりさんは書いている。〈白髪を御覧になっておっしゃったのだろうが、司馬さんは陛下に言ったのよ。僕、まだ、若いんですよ〉
司馬さんがまだ45歳ほどのころの話だった〉
平成の人気者といえば、明治生まれの双子の姉妹、「きんさん、ぎんさん」だろう。1993年、春の園遊会に100歳を迎えた成田きんさんと蟹江ぎんさんが車、いすで出席した。ぎんさんは、白内障を患い手術をしたばかり。それをご存じの天皇陛下(現・上皇さま)は、
「(目の)手術のあとはいかが?」
と尋ねた。
「はい、たいへんよく見えます。天皇陛下のおかげでございます」
ぎんさんのこの言葉に、周囲は大笑い。