とはいえ、木村を射止めたのも、娘たちがそこそこ成功しているのも、彼女が「特別な何か」を持っていたからこそだろう。
まず、木村との関係でいうと、彼女は年齢で2歳上、芸能界ではかなり先輩にあたる。彼がジャニーズ事務所に入ったころ、彼女はすでにトップアイドルだった。1991年の「NHK紅白歌合戦」では、4度目の出場となった彼女と初出場のSMAPが対決。先攻のSMAPが歌ったあと、紅組司会の浅野ゆう子が、
「白組のぼくちゃんたち、元気ですねぇ。しーちゃんも頑張ってください」
と紹介して、彼女を送り出した。
なお、彼女はいわゆるヤンキー的な男性に人気があり、結婚前には諸星和己や的場浩司、YOSHIKIらとの交際を報じられてもいる。
一方で、木村には長年一般人の恋人がいたが、それが10年近い「永い春」に終わり、工藤とは交際1年余りで結婚するわけで、そこもやはり「特別な何か」のなせるわざだったのではないか。
思うに、それは強さとけなげさのギャップだろう。彼女は小学校時代、片想いしていた同級生の男子に消しゴムか何かをプレゼントして、こんなメッセージを添えたという。
「よかったら使ってね。気に入らなくても使ってね」