確かに、近隣のサウジアラビアやアラブ首長国連邦、カタールといったイランと同じように砂漠が広がり、雨の少ない国々では、海水を淡水化することが定着している。いずれの国も主に豊富な原油や天然ガスの輸出によって財源を生み出し、淡水化の事業を進めてきた経緯がある。ただ、淡水化には多くのエネルギーが必要で、環境に負荷がかかっていることはおさえておきたい。
そうした湾岸諸国に比べて財源が乏しいイランでは、話が簡単に進みそうにない。それでも、現状では淡水化の計画を進める以外に、水不足と地盤沈下を止める道はなさそうだ。
「事業を進めるうえで日本の研究機関の協力も得たいと思っています。必ず成功させたいです」