そのほか褒められたものを挙げると、清潔さ、コンビニおにぎり、いちご大福、温泉、コメ、里山……などなど。日本といえばフジヤマ・ゲイシャの時代がウソのようにバリエーション豊か。ネットで個人の情報を個人が受け取る時代ってこういうことなのか。そしてそのいちいちに、その価値にちゃんと気づけずにいた自分を振り返り、改めて日本って何だろうと考えずにはいられなかったのである。
でも彼方のメキシコ人が「超クール」と目を輝かせる日本のコメも里山も、気づけばもはや風前の灯。我らは「ないもの」ばかり追い求め、「あるもの」を軽く見過ぎてきた。あって当たり前なことをもう一回ちゃんと見なきゃですね。
まだ間に合うと思いたい。
※AERA 2024年4月22日号