2023年12月25日、イギリス・サンドリンガムにあるセント・メアリー・マグダラ教会でのクリスマス礼拝に出席した王室メンバー。左からキャサリン妃、シャーロット王女、ジョージ王子、ウィリアム皇太子、ルイ王子、エリザベス女王の曽孫のミア・ティンダルが到着。いとこたちがそろい、楽しい時間となった。この後、キャサリン妃は腹部手術のために入院。3月にがんにり患していることを公表した(photo AP/アフロ)

王室離脱後にチャレンジ重ねるメ―ガンさん

 メーガンさんは王室離脱してから、多くのチャレンジを重ねている。だが、いずれも順調とは言えないのが現状だ。

 21年6月、自ら絵本「ザ・ベンチ」を執筆し、絵本作家デビューしたが、その後が続かない。Netflixのアニメ作品「パール」にディレクターとして参画したが、初期段階で制作中止に。2000万ドル(約28億円)で契約していた音楽配信大手「Spotify」からは23年6月に突然、契約解除され、同社CEOから「詐欺師」だと言われてしまった。自分の試みがうまく行かないのに対し、メ―ガンさんは「キャサリン妃はすることすべてが称賛される」と恨み事を言ったとされる。

 さらに、メ―ガンさんは一時、オバマ元大統領など有力政治家に接近。トランプ前大統領を暗に批判するとともに、アメリカ大統領を目指していることを否定しなかったとされる。現在、政治的言動は控えめだが、今年に入って新たな動きを見せた。

 今年3月、メ―ガンさんが新ライフスタイルブランド「アメリカン・リビエラ・オーチャ―ド」を立ち上げたのだ。インスタグラムのアカウントを開設し、すでに57万人以上のフォロワ―を獲得したそうだ。紙ナプキン、カトラリー、テーブルクロス、料理本など100を超える商品を販売する予定で、デイリー・エクスプレスは「彼女は自信にあふれ、ビジネスの成功を疑っていない」との専門家のコメントを紹介している。

 気がかりは、ここにヘンリー王子の姿が全くないことだ。メーガンさんが40歳の誕生日に発表した「女性のためのメンター制度」のイベントでは、王子は窓の外でジャグリングをして応援したが、今回はそんな動きがない。アメリカで希望に燃えて新たなチャレンジを続けているメ―ガンさんに対し、単身での帰英を繰り返しているヘンリー王子。最近になって、ヘンリー王子が自らの「居住国」をイギリスからアメリカに変更したことが確認されてはいるものの、アメリカで何かに挑戦することはない。メーガンさんには、ヘンリー王子が少々重たく感じられているのではないだろうか。

(ジャーナリスト・多賀幹子)

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多賀幹子

多賀幹子

お茶の水女子大学文教育学部卒業。東京都生まれ。企業広報誌の編集長を経てジャーナリストに。女性、教育、王室などをテーマに取材。執筆活動のほか、テレビ出演、講演活動などを行う。著書に『英国女王が伝授する70歳からの品格』『親たちの暴走』など

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