そして、金澤氏の応援以外に江東区まで来た理由がもう一つあるとして、こう話した。
「友達に電話したんですよ。『せっかく、江東区へ行ったら、何かない?』と。そうしたら、『亀戸餃子がある。それを食べて来い。東京の人はみんな知っている』と言うんですよ。ほんまか、じゃあ行く」
と笑いを取りにいったように見えたが、聴衆の多くは真面目に聞いていたせいなのか、ほほ笑んだ程度、に感じられた。
演説の最後には、批判にさらされている大阪・関西万博について、
「1年後に大阪で関西万博をやりますんで、来てください。いろいろ言われているんですけど、未来社会はこうなるんだと、みなさんやってますんで、ぜひ、1年後、遊びに来てくれたらなと思います」
と少し触れた程度だった。
「同じ大阪人としてネタがすべるのを見ているのは……」
替わってマイクを受け取った金澤氏は、
「私、4年前まで民間企業で働いてましたけど、正直、そのまま働いていたほうが安定した生活だったし、給料もよかったかもしれない。でも、今の政治家には任せられない。仕事も辞めて、人生かけて、全財産かけてやるのは泥臭いです。でも、きれいごとではやってられません。私は人生かけてやってます」
などと訴え、演説を終えると2人は車の中から手を振った。
吉村氏は「今度来た時には亀戸餃子の感想を言いますから」と、言い残して去って行った。
聴衆の中で吉村氏の演説を聞いていた百田氏に感想を尋ねると「特に」と一言。これで引き上げていくのかと思いきや、その場ですぐに百田氏が街頭演説を始めたのだ。
「吉村知事の話をずっと聞いていました。自民党、立憲民主党をぼろカスに言っているところは、私も拍手を送りたいくらいええこと言ってました。でも、亀戸餃子は完全にすべってましたね。あんなネタふってきても、誰も笑わへんちゅうねん。私も同じ大阪人として、ネタがすべるのを見ているのはほんとに情けない。大阪から来たからには笑いを取って帰らんとね。思わず、ヤジりたくなりました」
と吉村知事がすべった話をいじると、すかさず万博批判を始めた。