2024年のJリーグ開幕から約1カ月半が過ぎた。早くも波乱含みの混戦模様だが、その中で海外からの“出戻り組”の選手たちが、相変わらずの存在感を示している。
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昨季のヴィッセル神戸初優勝の原動力となった大迫勇也、酒井高徳、武藤嘉紀、山口蛍だけでなく、酒井宏樹(浦和レッズ)、香川真司(セレッソ大阪)、長友佑都(FC東京)、宇佐美貴史(ガンバ大阪)、塩谷司(サンフレッチェ広島)、家長昭博(川崎フロンターレ)といった30歳オーバーのベテラン勢も奮闘し、鈴木優磨、植田直通、安西幸輝(いずれも鹿島アントラーズ)や松尾佑介(浦和レッズ)、原大智(京都サンガ)、松原后(ジュビロ磐田)といった20代の面々も好パフォーマンスを披露している。だが、その一方で実績と期待に見合う働きを見せることができずに苦しんでいる“出戻り組”も多い。
真っ先に名前が挙がるのが、柴崎岳(鹿島アントラーズ)だろう。日本代表でも一時代を築いた稀代のゲームメーカーは、昨年9月に7シーズンぶりに古巣復帰を果たした。だが、リーグ戦3試合に出場したのみで負傷離脱すると、背番号10を与えられ主将にも就任して期待感を高めた今季も、シーズン前のトレーニングマッチで負傷交代すると、そのまま戦線離脱が続いてここまで出場0試合となっている。まだ31歳と老け込む年齢ではないが、チームとして中盤での攻撃面で“違い”を見せられる人材を欲している状況下で、長引く離脱にサポーターたちも業を煮やしつつある。まずはピッチに立つことだが、果たして期待通りのプレーを見せることができるだろうか。
同じく昨夏にJリーグに復帰した中島翔哉(浦和レッズ)も、周囲の期待には応えられていない。森保ジャパン発足当初のエースであり、一時は久保建英や三笘薫よりも市場価値の高かった男。不遇と不振が伝えられた中で日本に戻ってきたが、多くのファンの脳裏には“キレキレのドリブル”の記憶が強く残っており、期待は大きかった。しかし、昨季はリーグ戦出場6試合(スタメン1試合)のみでインパクトを残せず、迎えた今季も全試合でベンチスタートとなっている。ただ、リーグ戦7試合中6試合に途中出場して“切り札”としての役割は得ており、4月7日のサガン鳥栖戦では絶妙のリターンパスでアシストを記録した。苦しんではいるが、“光”は見えていると言える。