MBSの大八木友之記者(撮影:大谷百合絵)

「怒らせよう」として聞いたわけではない

 ただ、あれは、二階さんを怒らせようと思って聞いた質問ではありません。政治家を辞める理由がはっきり説明されなかったから、「いろいろな要素を勘案して辞めると決断されたのでしょうが、その要素の一つが年齢では?」という、純粋な疑問を投げかけただけです。

 結局、会見で二階さんの感情が最も発露したのは、年齢について聞かれた時でした。裏金問題について追及され、真相を言いたくないがために不機嫌になるなら分かりますが、あの反応を見ると「一番気にしていたのは年齢だったの?」「裏金問題の責任を取って辞めるというのは建前なの?」と思ってしまいますよね。会見を見た人にも、そういう疑問を感じてもらえたのであれば、あの質問に意味はあったと思います。

――もし「バカヤロウ」発言が聞こえていたら、反問していましたか?

 昔は暴言を吐いても許されたかもしれませんが、政治家なら、時代に合わせて言葉を選ばなきゃいけない。「その言葉はおかしいのでは?」というやりとりはしたかったです。

 二階さんとしては、自民党執行部から処分されるくらいなら自分から身を引こうという思惑はあったと思うし、地元・和歌山の選挙区事情も考えていたでしょう。引退後はご子息に継がせようと思っていた自身の選挙区に、安倍派幹部の世耕(弘成)さんがくら替え出馬を狙っているという話がある中、自ら進んで責任を取ることで、世耕さんに重い処分が下される道筋を作り、くら替えを食い止める――そういう政治的な狙いもあったのかもしれない。

 なので、その点に踏み込んだ質問もするべきでした。あの会見は長い質問を何問もできるような空気ではなかったのですが、その空気に負けず、もっと食い下がらなきゃいけなかったと思います。

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「この政治家何も答えてないやん」