スポーツ賭博の95%はオンライン。21歳以上(一部の州は18歳以上)でスマートフォンがあれば24時間賭けられるため、若年層の利用が拡大している。NCAA(全米大学体育協会)の調査では、キャンパス内に住む大学生の67%がスポーツ賭博をしたことがあると回答したほどだ。

 一度に賭けられる額は100ドル(約1万5千円)程度が多いとされるが、違法業者が開催するスポーツ賭博はルールのない無法地帯だ。

「合法のスポーツ賭博は『試合を楽しむため』に行う賭け事という大義名分のもと、掛け金も配当も少ない。そのため、大金を夢見るギャンブラーたちは高配当、高リスクの違法ギャンブルにのめり込んでいきます。米国ではスーパースターが違法ギャンブルで大金を失うことが時折あり、プロゴルファーのフィル・ミケルソンは1億ドル(約150億円)を失ったことを告白しています。違法業者を通じての賭けは、借金が払えないと返済額を減らす代わりに八百長試合への加担を求めるなど、本人やスポーツ興行に深刻なダメージを与える可能性もあります」

(ライター・形山昌由)

AERA 2024年4月15日号より抜粋

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