ところで甲殻類には左と右のどちらかだけハサミが大きく発達したものがある。それらは種ごとに必ず右あるいは左に決まっているのか、あるいは個体ごとに半数ずつ散らばっているのか、私は知らない。
しかし、そこに何らかの非対称性が存在するとすれば、必然的な理由があるはずだ。
おそらくこれは生物学の専門家であれば即答できる話題であろうから、素人の私がこれ以上適当なことを言うのは差し控えておく。
なぜ人間は右利きが多いか?
人間の体はかなりの精度で左右対称であるにもかかわらず、右利きと左利きという二つのタイプに分かれている。
ごくまれに両利きという人もいるのだが、だからといって朝食は右手で、昼食は左手でというようにバランスを取っているとは思えない。また、世界的にも右利きのほうが格段に多いようだ。
これは社会的・文化的なものが背景にあるのだろうが、ではなぜ右利きのほうを好む文化が確立したのであろうか。その文化に潜む左右非対称性の起源を科学的に説明することはできるのか。
原理的には、左右の対称性のあり方には様々な可能性がありうる。例えば
(1)右利きとか左利きとかいった非対称性が個人レベルでは存在しない。
(2)右か左かのどちらか利き手を決めておくほうが生きて行く上で便利なので、個々人はそのどちらかを選ぶものの、集団全体としてその確率に差はない。