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 物理学者のイメージとして、東野圭吾の小説「探偵ガリレオ」シリーズ原作のテレビドラマを真っ先に思い浮かべる人も多いだろう。作中で福山雅治が演じる湯川学と、実際の物理学者はどう違うのか。物理学者・須藤靖氏の新著『宇宙する頭脳 物理学者は世界をどう眺めているのか?』(朝日新書)から一部を抜粋、再編集して解説する。

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これが物理学者の生態だ!

 ガリレオと聞くと、東野圭吾の小説で、テレビドラマでは福山雅治が演ずる湯川学が主人公の「探偵ガリレオ」を思い出す方もいらっしゃるだろう。

 家族でそのTV放送を見ていたとき、我が娘ながら真実を見抜く鋭い眼を持つ長女が「福山雅治の横顔はパパに似ている」という正直な感想をもらしたところ、家内と次女にコテンパンに叩かれたことをまざまざと思い出す。その結果、長女は次のCMに移る以前に、前言を撤回することを余儀なくされてしまった。

 真実が不合理な権力によって捻じ曲げられてしまうという、ガリレオの生涯を彷彿させるような現場を目の当たりにした経験は、20年近く経った今でも決して忘れられない。

 ところで「探偵ガリレオ」は、世の中が物理学者に対して持っている偏見(もう少し正確には、予定調和的にこうであってほしいと期待しているイメージ)を理解する上でも役に立つ。湯川学の描写によれば物理学者とは次のような習性を持つ人種らしい(その後の矢印に続く括弧内は私が理解している現実の姿である)。

『宇宙する頭脳』(朝日新聞出版)
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物理学者の生態は?