作家・北原みのりさんの連載「おんなの話はありがたい」。今回は吉幾三さんのYouTubeチャンネルで感じた、おかしいことをおかしいと言う自由について。
【写真】強制捜査の夜にもパーティーを開いていた女性議員はこちら
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いいなぁ、吉幾三。ありがとう、吉幾三。そんな気分だ。
10カ月前に吉幾三さんのYouTubeチャンネルで「飛行機で見た横柄な国会議員」の話がバズった。吉幾三さんと同じ飛行機に乗った客がCAに対し横柄だったこと、その客が国会議員であることを匿名で話したのだ。その後、その国会議員が現役CAの告発によって明かされ、ちょっとしたニュースになった。
突然YouTubeで名指しされた自民党の長谷川岳議員は、自身のブログで飛行機の遅延に関する持論を長文で記し、メディアには「大声は出していない」などと反論をしている。
「国会議員がCAに横柄な態度を取る現場を見た」という吉幾三さんの言い分はシンプルだ。
「大人だったらさ、ある程度年いったら、ちゃんと人と接しないと恥ずかしいよ」「機嫌の悪いときもあるだろうけど、機嫌の悪いときはしゃべらなきゃいいじゃん」「機嫌の悪いときもあるけどさ、そこは、我慢しなくちゃだめだよ」
思わず深く頷いてしまう。機嫌の悪いときはしゃべらなきゃいいじゃん! その通りである。
吉幾三さんは一人でカメラに向かい、打ち合わせも台本もないような自由な感じで、言いたいことを言いたい放題な感じでしゃべり続ける。コロナ禍中にはじめたチャンネルのようだが、最近は裏金問題に怒り、年金機構に怒り、国会議員の振る舞いに心から怒っている。この国に、怒ってる。
「政治に金かかるっていうけど、なんで金かかるんだよ、金かからない選挙しろよ」「働いても働いてもこんだけ税金高くてさ。あんたがた(←国会議員のこと)税金関係ねぇだろ。払ってんのかどうかわかんねぇけど」「どこにいった年金、この野郎(←年金機構のこと)、人の金、勝手に使ってんじゃねぇ、この野郎!」