「好調だった山田哲人が調子を落とし始めた。オスナ、サンタナの両外国人(ともに今季で32歳)は年齢的に衰えが出てもおかしくない。昨年の成績低下を経て体を絞った村上宗隆の活躍が重要になる」(在京球団編成担当者)

 野手は新助っ人の加入はなく、目立った補強は西川遥輝(前楽天)ぐらい。青木宣親や川端慎吾というベテランにいつまでも頼るわけにもいかず、打線全体の底上げが必要。しかしオープン戦では46イニング連続でタイムリーヒットが出ないなど、打線が上手く機能していない。

 リーグ3連覇を狙った昨季はまさかの5位と低迷からの巻き返しを誓うヤクルトだが、シーズン開幕前から“嫌な雰囲気”が漂っている。

 一方、今江敏晃新監督を迎えた楽天も、投打の形が見えない苦しい状況が続いている。

「何がベストメンバーか、僕が一番、教えて欲しいぐらいです」(3月20日付スポニチ)と今江監督自身が語るなど、オーダーが決まらず頭を悩ませている。

 昨年はリーグ2位となる513得点(1位はソフトバンクの536得点)と打線の頑張りは目立ったが、チーム防御率はリーグ最下位の3.52(1位はオリックスの2.73)と投手陣が崩れBクラスの4位に終わった。巻き返したのために投手陣強化が明白なのは間違いないが……。

「先発はプロ4年目以内の経験少ない投手に任せざるを得ない状況。松井裕樹(パドレス)の抜けた抑えは則本昂大を据えるようだが、経験の必要な役割なだけに不安もある。投手陣に関してはやってみないとわからないだろう」(在京球団編成担当者)

 開幕投手に指名された左腕・早川隆久(26歳・4年目)をはじめ、2022年のドラフト1位右腕・荘司康誠(24歳・2年目)、内星龍(22歳・4年目)など、当面は若手投手の奮起に期待しないといけない状況だ。

「ベテランの岸孝之やポンセ(日本ハムから加入)はいるが、大きな誤算は田中将大の調整遅れ。日米で多くの経験を積んだ田中の存在は、成績以上の影響力がある。一軍に帯同できないとなると開幕ダッシュへ不安も出てくる」(楽天関係者)

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両チームともに厳しい状態で開幕へ