「Aッ倒的ファン大感謝祭」で、ファンに投票で選ばれた嵐の曲「White Love」を歌うAぇ! groupの5人。本編のラストでは、小島健が作詞、佐野晶哉が作曲したオリジナル曲「ボクブルース」も疲労。「キミは信じてくれるんだろう? ここにいるAぇ! group(ボクたち)の心(こえ)を」と、草間リチャード敬太がメロディに乗せる言葉がデビュー発表のこの日、ことのほか胸に響く (撮影:品田裕美)

「やっと、デビュー……、デビューすることができました」。本編終了前のMCで、最後にマイクを握った末澤は、笑顔でそう口にしたあと涙に詰まり、カメラに背を向ける。だが360度のステージは、目元を押さえるその姿をしっかりとらえていた。真っ赤なペンライトの渦から、末澤を励ます声が上がる。

「いや、あんまりさ、弱音とか吐くタイプじゃないんやけど、今日だけ。……めっちゃつらかったわ」、「いろいろありすぎたよね」。そう語ったあと、末澤は涙で頬を濡らしたままわずかに微笑み、「本当に、やめんでよかったなと思います」。

 同じ言葉を、1年半前にも末澤から聞いていた。

「まだ全然満足してないので、報われたとか思ったこと一度もないかも。でも、やめんでよかったなとは思います」

 ドームを埋め尽くす5万人と、生配信の画面の向こう側にいるのファンに、デビューを発表できたこの日は、末澤も、そしてほかのメンバーも、報われた、と感じられただろうか。

 このMCで同じく「やめんでよかった」と口にした佐野が語った通り、デビューはゴールではない。「この景色、絶対忘れずに、またここからゼロからスタート」――だがいまは、リチャードの言う「最高やんけ」を、メンバーも、そしてファンも、噛み締めているに違いない。

 3月26日発売の「AERA」4月1日号では、独自に撮影した数々の写真とともに、このファンミーティングのより詳しいレポートの掲載を予定している。

 本編最後に5人それぞれが涙とともに届けたMC全文は以下の通り。

佐野晶哉:本日は「Aッ倒的ファン大感謝祭」にご来場くださいまして、本当に、本当にありがとうございました。みんなほんまにありがとうね。みんなのおかげで、みんながジュニア時代5年間支えてくれたおかげで、Aぇ! groupはここまで来れました。みんな、そして5年間ずっと支えてきたスタッフさんも本当にありがとうございました。

 メンバーもほんまにありがとう。俺ほんまに一回諦めようとしてたから、そのタイミングで小島くんと正門くんが、この8年間で唯一怒ってくれて、2人が畳の楽屋で大人に土下座してくれて、さらにリチャくん誠也くんの二人が認めてくれて、いまがあります。辞めんでよかった。ほんまにいま、めちゃくちゃ幸せです。Aぇ! groupが大好きです。なんかラブソングの落ちみたいな最後のパートみたいで嫌やけど、Aぇ! groupでいるときの僕が好きです。なんかAぇ! groupでいるときの自分が、裏も表もいろいろあると思うけど、いちばん素でいられているような気がするし、そのありのままの僕を、ありのままのAぇ! groupを、ここにいる5万人、配信の向こうで見てくれてるみんな、全国全世界のAぇ! groupのファンのみんなが認めてくれて、支えてくれて、好きでいてくれて、大好きです。

 この景色、絶対忘れずに、またここからゼロからスタートです。何かしんどいときとかつらいこととかあったときに、今日のデビュー発表のことを思い出して、俺、金のヒラヒラ全然降ってこんかったなーとか思い出して、さっき横山(裕/SUPER EIGHT)くんも言ってくれてたけど、横山くんずっとご飯のときとか言ってくれるんやけど、息の長いグループになれるように、この5人で白髪生やして、髪薄くなって、太って、じいちゃんなって、バンドできるように、息長く僕らのことを愛し続けてください。みんなのおかげです。ほんまに今日はありがとうございました。

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