大学時代の吉田いづみさん。解剖学の授業最終日に先生やクラスメイト全員と記念撮影(写真:本人提供)

学費の安さも魅力

 医学部を持つ4つの国立大学では、30年ほど前から、英語で授業や医師国家試験を受けられる留学生専門プログラムを用意してきた。2006年からは日本人学生の募集がスタートし、入試から帰国後までのサポートを行う事務局が都内に置かれている。

 学費の安さも、魅力の一つだ。日本では国公立大医学部の学費は年間約60万円、私立は約330~830万円と高額だが、ハンガリーの医学部は220万円ほど。国公立レベルとはいかないまでも、私立と比べれば手が届く金額だ。生活費も年間120~150万円程度と、日本で1人暮らしをする場合とさほど変わらない。

 吉田さんは医師の夢をかなえるため、ハンガリー留学に懸けることに決めた。しかし、それまで海外旅行は1回も行ったことがなければ、中学生のころは「私は日本人なのになんで英語を勉強しなくちゃいけないんですか?」と真剣に先生に質問するほどの英語嫌いだった。

 そこで医学部の入試を受ける前に、現地で英語、生物、化学、物理を学べる1年間の「予備コース」に進むことにした。予備コースを受けると、大学卒業まで最低7年かかることになる。だが毎日授業に出て真面目に課題をこなせば、入試を突破し、入学後の専門的な授業にも耐えられる基礎学力が身につくことから、日本人学生の約8割は予備コースに進むという。

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合格率は9割以上