吉田いづみさん(写真:本人提供)

 大学入試の中でも最難関の医学部受験が、終盤を迎えている。日本で医学部に進めるのは、熾烈な競争を勝ち抜いたほんの一握りの学生だけ。さらに高額な学費を払える家庭であることなど環境にも左右される。だが実は、日本を出て海外の医学部に進む“別ルート”もある。医学を志す留学生の受け入れに熱心なハンガリーに渡り、夢をかなえた医師たちの姿から、「海外医学部への進学」という選択肢を考える。

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 ドイツ・ベルリンの病院で皮膚科医として働く吉田いづみさん(29)は、生まれつきの心臓の病気で入院生活が長かったこともあり、幼いころから医師を夢見てきた。だが高校生のとき、現実の“壁”にぶつかったという。

「サラリーマン家庭だったので、医学部に行くなら国公立か、私立でも比較的学費が安いトップレベルの大学しか選択肢がありませんでした。でも、高校は進学校ではなかったし、一人で勉強して超難関の医学部を目指すというのはハードルが高くて。結局、受験へのストレスで体調を崩して、入試すら受けられませんでした」

 日本では医者になる道がない……。途方に暮れた吉田さんが目をつけたのが、ハンガリーの医学部だった。

 東ヨーロッパの小国であるハンガリーは、数多くのノーベル賞受賞者を輩出してきた教育先進国だ。その教育・研究レベルの高さを武器に、国をあげて、海外からの留学生受け入れに力を入れている。

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大谷百合絵

大谷百合絵

1995年、東京都生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。朝日新聞水戸総局で記者のキャリアをスタートした後、「週刊朝日」や「AERA dot.」編集部へ。“雑食系”記者として、身のまわりの「なぜ?」を追いかける。AERA dot.ポッドキャストのMC担当。

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