集まった人たちは10数分間の映像ショーを楽しんでいた(撮影/いずれも板垣聡旨)

 小池知事はこれまで、政策効果が乏しい歳出を徹底して削減し、効果の高い歳出に転換していくという「ワイズスペンデング」(賢い支出)を徹底する方針を掲げてきた。

 佐々木氏は、

「歳出の内容を前向きに、不断に見直すということだが、果たしてこの8年間、それが出来てきたのかいまだ不明です」

 と話す。その上で、

「コロナ対策と称するレインボーブリッジ投影は、大阪府市が通天閣投影でシグナルを出したことをヒントに後追い、今回のプロジェクションマッピングは昨秋、京都市が始めた投影と伝統芸能の組み合わせ事業をヒントに後追い。東京に訪れる観光客の視点に立った政策の立案を望みたい」

 と求めた。

民間活力を生かし、都はサポートに

政策立案の具体的な方向としては、

「それは知事の思いつきや一部職員の発想ではだめ。政策の効果測定などのマーケティングをしっかりやった上で、科学的な観光都政への方向転換を望みます。公民連携の視点に立ち、事業主体を民間事業者にして、民間活力を大いに生かす。民間から基金(寄付)を募り、都はそれをサポートする周辺政策に徹する。それが“政策都庁”の姿ではないでしょうか」

 との考えを示した。

 プロジェクションマッピングの運営を担当する観光部振興課の担当者は、

「批判が相次いでいるのは受け止めています。今回は大規模な金額をかけているので、不安になるのも理解できます。だからこそ、しっかりと政策の効果を測定し、効用を検証し、その結果を必ず公表できるようにします」

 と話した。

(AERA dot.編集部・板垣聡旨)