富士山と富士河口湖
富士山と富士河口湖

 東日本大震災から13年がたった。過去に読まれた記事から、日本の自然災害リスクについて考える。(この記事は、2022年1月1日に配信した内容の再配信です。肩書、情報等は当時)

【イラスト】気になる富士山噴火の前兆とは?

*  *  *

 活火山の富士山の動向に専門家の注目が集っている。昨年放映されたドラマ『日本沈没』(TBS系列)の最終回では富士山が大噴火するシーンが描かれたが、絵空事ではない。専門家らは近い将来噴火するとみており、今年の可能性もあるという。

 昨年12月3日午前2時過ぎに山梨県東部を震源とする震度4の地震が発生。さらに、午前6時半過ぎに最大震度5弱の地震も起った。気象庁は記者会見で「富士山の火山活動との関連性はないとみている」としたが、専門家の見立ては少し違うようだ。

 認定NPO法人富士山測候所を活用する会理事で、東海大海洋研究所地震予知・火山津波研究部門の長尾年恭客員教授は、将来的には一つの不安材料だと見ている。

「昨年12月以降の地震を見ると、富士山周辺地域で地震活動が活発化しているようにも見える。近い将来、噴火が起きてもおかしくありません。今年起こる可能性もゼロではない」

 富士山はかつて休火山と見られていたが、全国の火山活動を評価する火山噴火予知連絡会が1975年に活火山として選定。いつ噴火してもおかしくない活火山に指定されている。現在、活火山の数は111あるが、そのうちの50は気象庁に噴火の兆候がないか監視されている。富士山もその一つだ。

 気象庁がまとめた資料によると、古文書などで富士山の噴火が確認できるのは781年から。今日までに17回、噴火と見られる現象があったとされる。その中で大規模に噴火したのは、864年に起こった貞観噴火と、1707年に起こった宝永噴火だ。宝永噴火以降、富士山は平穏を保っている。つまり、最後の噴火からかなり時間が経っており、次がいつおきてもおかしくない状態だと推測できる。

 さらに、長尾客員教授が、特に注目しているのは「巨大地震と富士山噴火の関連」だ。長尾氏によると「巨大地震と噴火に関係があるというのが、現在では主流な考え」で、「巨大地震が起きると数年以内に周辺でかなり大きな噴火が起こっています。東日本大震災では各地で火山活動が活発化しました。13年に噴火して面積が拡大している西之島もその事例の一つと見ています」と指摘する。

著者プロフィールを見る
吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

吉崎洋夫の記事一覧はこちら
次のページ
富士山噴火と大地震との関連は?