灘高校
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 東大の合格発表が3月10日に行なわれた。過去に話題となった記事を再配信する。(この記事は、2023年6月6日に配信した内容の再配信です。肩書、情報等は当時)

【30年比較】東大、京大、早慶、MARCH…難関21大学「合格者数ランキング」【1993-2023】

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 国内大学の最高峰とされる東京大学理科3類(理3)への進学率が際立って高いことで知られる灘高校(兵庫県)。いまも医学部志望者は多いものの、東大以外の国公立大学進学者も目立ってきた。卒業生への取材や、週刊朝日が実施した「東大合格者アンケート」をもとに、その変化を探った。

「医学部志望者の母数自体に、昔と比べて大きな変化はないと思います。ただ、かつてのように『何が何でも東大理3』という感じはなく、多浪を重ねて東大を目指す人の話もあまり聞きません。京医(京大医学部)や地方国公立大学も選択肢の一つに入る雰囲気にはなっています」

 こう語るのは灘高校から理3に現役合格し、現在、教養学部に属する男子学生だ。

 関西屈指の進学校として知られる灘高校は、東大医学部医学科への進学者が多い理3への合格者が多く輩出することで知られていた。灘高校は1学年あたり220人。理3合格者は2013年には現役・浪人を含め27人だったが、19年は21人、22年は10人に減少。かわって、近年では他の難関国公立大学への進学者も目立つ。23年度、同校から医学部医学科に合格したのは国公立・私立82大学合計で87人(うち現役は50人)。東大理3の合格者は15人、京都大学医学部が17人、大阪大学医学部が9人、奈良県立医科大が6人、神戸大医学部が3人。理3合格者は医学部合格者全体の2割を切り、関西圏の国立大学を中心に合格者が散る結果となった。先の学生によれば、「京大と奈良県立医大の後期をセットで受け、もし前者に落ちたら後者に進む」というパターンも見られるという。

 灘校生が必ずしも東大にこだわらなくなっているという状況の変化は、何を意味するのか。OBや予備校関係者への取材から見えてきたのは、医学部の「目指し方」がかつてと比べ多様なものになりつつあるということだ。

 同校には医学部志望者向けのコースはない。海保雅一校長は「特定の進路に生徒を誘導するような教育はしていない」と言葉に力を込める。

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