3月4日、日経平均株価は史上初めて4万円を超えた

 新型コロナウイルス禍を受けた経済再開やロシアのウクライナ侵攻などによって人手不足や物価の値上がりは一段と深刻になり、それが引き金になって日本の企業は急速に変わろうとしています。

 商品やサービスの値上げをして利益を増やし、業績が上がって株価の上昇につながるという好循環が生まれつつあるのです。こうした変化は、一時的なものではなく、本質的なものだと考えています。変化のスピードも、ゆっくりだったこれまでとは違い、もっと速く進むようになるでしょう。

 さらにテクノロジーの急速な進化や地政学的な問題なども考え合わせると、日本の株式市場は長期的に伸び、日経平均株価が10万円になるのは必然といってもいい。

地獄とも言える状況

――一方、日経平均10万円が実現した世界は決して幸せとは限らないとも指摘しています。

 今までのようなデフレの時代から考えると恐ろしいことになります。インフレ経済に転換すれば、モノやサービスの価格は値上がりします。値上がりに見合った分だけ給料が上がらなければ、生活の水準を維持することはできなくなります。給料の上がらない会社にいる限り、地獄とも言える状況が待っているでしょう。

 一杯470円程度の吉野家の並盛牛丼は、10年後は同じ値段で食べることはできなくなるでしょう。今でも米国では日本の3倍近い1500円程度で売っています。日経平均株価が今の2~3倍になっているということは、吉野家の牛丼も現在の3倍程度に値上がりしていてもおかしくはありません。

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投資は「怖いもの」という思い込み