インフレのもとでは株式や不動産といった資産が値上がりしやすい。そのため、こうした資産を多く持っている人には有利です。反対に、資産が現預金だけの人は資産が目減りしていくため厳しい。どんな資産を持っているかで差は広がっていくでしょう。早いうちにインフレ経済に適した行動を取る必要があります。

――ではどうしたらよいでしょうか。

 インフレの時代では、投資をする人としない人の差は大きくなります。日本には投資は「悪」ないし「怖いもの」という思い込みを持っている人が多い。節約をしてお金を貯めるという考え方が強い人は、生活しにくくなっていくでしょう。

 その意味で、1月にスタートした新NISA(少額投資非課税制度)は非常に有効です。制度を利用すると、通常なら運用で得られた利益に税率20%で課税されますが、それが非課税になります。投資が必要だと考えているなら、当然やった方がいい。

惑わされたりしてはいけない

 と言っても、いくら投資すればよいか、そもそも投資が必要かどうかは人によって違います。どんな人生を歩みたいかで決まるものです。自分自身で歩みたいと考える人生から逆算して、どのくらいのお金が必要か、そしてそのためにはいくら投資すればよいかを考えるべきです。場合によっては、新NISAを必ずしもすぐに利用しなくてもよい人だっているはずです。

――新NISAが始まったり、日経平均株価が史上最高値を更新したりして投資への関心は高まっています。

 現在の世の中の動きを見て「やらなきゃいけない」と考えてしまう人もいるでしょう。でも、そういった風潮やムードに煽られたり惑わされたりしてはいけません。投資の必要性や自分に合った投資法は人それぞれです。誰もがオーダーメードで考えるべきだと思います。就職結婚相手を選ぶのと同じで、誰かに決められるようなものではないですし、正解も一つではありません。

暮らしとモノ班 for promotion
なかなか始められない”英語”学習。まずは形から入るのもアリ!?
次のページ
買い物と同じ感覚