2010年代以降は企業のトップに立つ女性が増えてきた
彼女たちばかりではない。均等法から約四半世紀たった2010年代、企業トップとして活躍する女性は増えてきた。一部上場企業、ベンチャー企業などを中心に女性社長を紹介しよう。
ユーシン精機社長の小谷高代氏は大阪大大学院修了後、日立製作所生産技術研究所に入ったが、その後、外資系コンサルティング会社KPMGに転職する。マサチューセッツ工科大ビジネススクールを経て、ユーシン精機に入社し、2021年社長になった。
ビザスクCEOの端羽英子氏は東京大経済学部を卒業後、ゴールドマン・サックス証券に入社。その後、マサチューセッツ工科大ビジネススクールを修了し、日本ロレアルなどを経て、12年株式会社walkntalk(現・ビザスク)を設立した。事業内容はリサーチ、コンサルタントなど。
coly社長の中島瑞木氏は東京大教養学部を卒業後、モルガン・スタンレーMUFG証券を経て、14年に、オンラインゲームの企画・開発・運営をするcolyを双子の妹と設立した。18年社長に就任、現在は副社長。
ウォンテッドリー社長の仲暁子氏は京都大経済学部出身。ゴールドマン・サックス証券を経て、2010年フューエル(現・ウォンテッドリー)を設立した。企業の早期離職対策、人材育成を支援している。
はごろもフーズ社長の後藤佐恵子氏は慶應義塾大経済学部出身。味の素、スタンフォード大経営大学院修士課程、マッキンゼーを経て、04年にはごろもフーズに入社した。常務取締役サービス本部長などを歴任する。19年、社長となった。同社は「シーチキン」で広く知られており、1931年創業以来初の女性社長となる。はごろもフーズの将来について、こう話している。「まず当社で取り組んでいきたいのは、女性の積極的な登用です。もちろん、産休、育休といった制度を整え、仕事に復帰してからもできるだけ仕事が続けやすいような環境づくりを常に考えています。私自身、自分の経験から切実に感じた時間単位での有給休暇の取得制度を今年から始めたいと思っています」(「三田評論ONLINE」2020年4月15日)
難関大学、アメリカのビジネススクール、外資系証券会社またはコンサルタント会社など共通項が多い。企業トップになるためのロールモデルの一つとして確立しつつある。