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 高齢の親のがん治療では、多かれ少なかれ、子どもの心身にも負担がかかるもの。忙しい毎日のなかで、自分自身の生活を大切にしながら、親のがん治療にどう向き合っていけばいいのでしょうか。具体的な6つの悩みに、専門家が答えます。本記事は、週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院2024』の特集「親ががんになったとき、子にできること」よりお届けします。全3回の3回目です。

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Q1:親の受診に付き添うためには有給休暇を使うことになる?

【回答:長谷川さん】親にがんが見つかったら、職場の就業規則を調べて介護休暇などの申請方法を確認し、外来受診に合わせて介護休暇をとるなど制度を活用してください。遠方の場合、たとえば親の入院に合わせて1週間の介護休暇をとり、その間に医師から病状説明を受け、限度額適用認定証や介護保険の申請を済ませるなども可能です。職場の人にも事情を話し、テレワークで仕事ができる場合は検討したいものです。

Q2:遠距離介護で、子どもの受験もある。頻繁に帰れないのは親不孝ですよね

【回答:北見さん】高齢の親を持つ子どもの多くは働き盛りです。実家に帰りたくても、自分の仕事や家庭のことでむずかしい人は多いもの。抱え込みすぎないでください。介護保険サービスや在宅医療などを利用して、まわりの力も借りながらサポートする方法もあります。きょうだいや親戚と協力し合うこともできるかもしれません。

 帰省することはできなくても、電話やメールで様子をうかがったり、孫と動画を撮って送ったりもできますよね。「そばにいなくちゃダメ」ということではないはずです。

 親はいくつになっても子どもを案じています。「元気にやっているよ」と伝えて安心してもらうことも、サポートの一環ではないでしょうか。(北見さん)

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親が自宅に帰りたいと言うが、在宅介護できる自信がない