へばね、愛子ちゃん、また遊ぼうね。茨田りつ子(菊地凛子)がスズ子(趣里)の娘にそう言うのを聞いて、涙がこぼれた。愛助(水上恒司)が死んだ時は泣かなかった私だが、茨田には泣かされた。なぜかはわかっている。私はシスターフッドに弱いのだ。
20週と21週は鮫島(みのすけ)という「真相婦人」記者を起点にし、最終的には「男には分断されない、女性同士の関係性」が描かれていた。20週はラクチョウのおミネ(田中麗奈)とスズ子、21週は茨田とスズ子。形は違うが、それぞれのシスターフッドが描かれた。
いろいろ考えさせられた。一番大きかったのが、「女の対立」というのはいつの世でも面白がられるものだということだ。だから茨田が鮫島を逆襲したのには胸がスッとなったし、そこからスズ子との関係修復に動いたのがカッコよかった。謝り、なぜそうなったのかを語り、愛子に青森弁で語りかけ、それだけでも泣けたのに、最後にはスズ子のワンオペ育児を解決した。
おかげで後味すっきりというか穏やかというか、そういう気持ちで22週を迎えることができるのだが、そこまでにあれこれ思ってしまった。整理しつつ、書いていく。
「おミネVSスズ子」「茨田VSスズ子」、どちらも流れは同じだ。鮫島がインタビューし、そこでの言葉の一部を脚色して掲載する。記事の見出しがアップになったので並べると、「ワテはパンパンの味方でっせ!」「ワテがパンパンを守る!」「フン!福来スズ子なんて歌手は終はりよ!」「福来、茨田 二大女王の泥試合!」――。おヨネはこの見出しの記事を見て、「アタイらを人気取りの道具にするんじゃないよ」と楽屋に乗り込んできた。
週刊誌の記者を長くしていた私なりに分析するならば、鮫島はできる記者だ。正式インタビューと突撃取材の両方を使いこなし、スターの話を取ってくる。ニュースに対談と記事を自在に書き分ける。そして何といっても、女性同士の対立は売れる、それが骨の髄まで染み込んでいる。