早田ひなも真剣勝負を繰り広げた(画像はクロアチア戦)

選手からは「試合がやりづらくなる」

 しかし、突然生まれた謎のマナーには、困惑も広がった。3~4年ほど前、宮﨑氏は日本人の選手から相談を受けたという。

「そのころ、ネットニュースでラブゲームはダメだと大きく取り上げられたんです。すると、ある選手が僕のところに来て、『試合がやりづらくなるので、宮﨑さんから他の選手たちに、11-0で勝ってもいいんだとはっきり言ってもらえませんか?』と。私としては、そんなバカなことをわざわざ言う必要があるのか? と疑問でしたが、後日、『くだらないニュースは気にしないで、0本で勝てるときは勝ち切りなさい』と伝えました」

 相手に情けをかける気持ちは殊勝だが、あくまでもプロ同士の勝負の世界。10-0までこぎつけた後に、11点とられて負けるケースはないのか。

 宮﨑氏は「10-0からの逆転は見たことがない」としつつも、2021年の東京五輪で繰り広げられた、水谷隼&伊藤美誠ペアの大逆転劇を例に出す。

「ドイツと戦った混合ダブルスの準々決勝で、水谷と伊藤は2-9から逆転勝ちしました。いつ何が起こるか分からないのが、卓球。1点与えたら、そのあと10連チャン取られるかもしれない緊迫感と恐怖はみんな持っています」

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