一方のパ・リーグはセ・リーグ以上に2番に小技を重視した選手が並んでいる印象を受ける。規定打席に到達して打率3割をクリアした選手がわずか2人で、30本塁打以上も0人だったという“投高打低”の傾向が強かったということもありそうだが、豪快な野球の印象が強かったパ・リーグだけに意外な結果とも言えるのではないだろうか。そんな中でも日本ハムが23人もの選手を2番で起用しており、チームOPSトップの万波をはじめマルティネス、清宮幸太郎など長打力のある選手も試しているのは特徴的だ。新庄剛志監督勝負の3年目となる今シーズンは、どんなスタメンが多くなるのだろうか。

 まとめると、最初にも述べたように2番に最強打者を置くというやり方はまだ日本には浸透していないように見える。ただ、どこかで大きくやり方を変えて、得点力アップを目指すチームが出てくる可能性もあるはずだ。そういう意味でも各チームの2番打者にぜひ注目してもらいたい。(文・西尾典文)

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。
 

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