
「祐維ちゃんのような将棋界の宝がLPSAに入会してくれたことは奇跡のように思っていまして、うれしい気持ちでいっぱいです。きっかけとしてはまず田中沙紀さん(女流1級)が祐維さんと交流があって、話をしてくれて。LPSAのことも選択肢として考えてくれてるというふうに聞きました」「島井さん(咲緒里女流二段)や私も『ぜひLPSAに来てほしい』と口説きまして。祐維ちゃんと直接会って、話せば話すほど、将棋に対してのストイックさですとか、努力をとても感じましたし。また一方で20歳らしい、かわいい一面もあって。本当に私にとっても娘のような、妹のような存在になっています」「LPSAのよさは、自由で風通しがよく、一人ひとりが主役になれるところだと思っています。祐維ちゃんの個性を思い切り発揮して、のびのびと活躍してほしいと思っております」
中倉と磯谷は、すっかり親しい間柄になった。
「普段は『将棋がんばろうね』みたいな話をします。あとは『なんかしんどいな、ちょっとつらいかも』ってときに、相談をよくします。宏美さんは話を聞いてくれたあと「大丈夫だよ』って言ってくれて。本当に優しいんです。宏美さんラブです」
磯谷はXで次のようにも投稿している。
「宏美さんと同じ対局日の日は、宏美さんが対局終わるまで待っててお疲れ様でしたってハグするのが最近のトレンド(?)です」
どちらかといえば中倉の方から抱き寄っていくそうだ。LPSAでは2018年、渡部愛(現女流三段)が女流王位を獲得して以来、タイトル保持者は現れていない。磯谷を知る三浦弘行九段はパーティーで次のように語っていた。
「実力はもう折り紙つきですから。こういう心優しい磯谷さんが再びLPSAにタイトルを持ってきてくれるんじゃないかなと2強は強いですけれども磯谷さん、割って入れるような気もしてるので」
(構成/ライター・松本博文)
※AERA 2024年2月19日号