バレンタインデーにも食事する予定だった
腎臓移植をしたときのコメントにも表れているように、南部さんは自分の芸事にこだわって生きてきた。額に缶ビールやペットボトルをくっつけてコップにそそぐパフォーマンスが得意だった。首相公邸に招かれ、安倍晋三元首相の妻・昭恵さんにこの芸を披露したこともある。過去にはもっと過激な芸もあった。
「かつてはチェーンソーをメンバーに振りかざす芸があって、メンバーに当たりそうになるとコンセントが抜けるというもの。南部さんからは『ギリギリまでチェーンソーをまわせ』という指示が出ていたそうで、芸を極めることには厳しかったそうです。だから劇団員には厳しくて、時にはメンバーと殴り合いのケンカになることもありました。南部さんはああ見えて、空手の有段者なので強いんですよね(笑)」(同)
1月28日に通夜、29日には告別式が行われ、約150人が参列した。葬式では「喪服禁止」。参列者たちは思い思いの“派手な服装”で南部さんを悼んだ。
「私もピンクのヒョウ柄の服装で参列しました。もう、お祭りのようなお葬式でしたが感動的でした。でもやはり最後、棺にみんながお花を入れ始めたところで、奥さまが泣き崩れてしまって、鳥のコスプレを着た人が奥さまに『泣かないって約束したじゃない』となぐさめていました」
出棺の時には電撃ネットワークのテーマ曲を流しながら、みんなでダンスを踊って見送った。
「私たちも踊りました。本当は2月14日のバレンタインデーに、南部さんとはるな愛さんと食事をする予定だったんですけど、その前に逝ってしまいました。本当に悲しいです」(めい子さん)
3月23日には、東京・港区の会場で「南部虎弾&エスパー伊東 お別れ会」が予定されている。南部さんらしい“派手な”お別れの会になりそうだ。
(AERA dot.編集部・上田耕司)