入院中の南部さんとめい子さん。めい子さんが手にしているのは、南部さんからもらった「夢追人 吉田沙保里 感動をありがとうの会」というイベントの招待状

妻からもらった腎臓を大事に

 南部さんが妻の由紀さんから腎臓の提供を受け、腎臓移植をしたのは2019年のこと。南部さんと「飲み友達」だった2人は心配になり、都内の病院に入院していた南部さんをお見舞いに行った。

「お見舞いに行ったのは手術直後でした。知り合ってまだ2年くらいだったので、お見舞いなんて嫌がるかなとも思ったんですが、南部さんは『来てくれてありがとう』と喜んで迎えてくれました。ただ、やはりおやせにはなっていましたね。スマホで写真を撮ることもOKしてくれて、病院のベッドで手を上げてポーズまで作ってくださいました。やさしい方だなと改めて思いました」(まさみさん)

 一緒にお見舞いに行っためい子さんは聴覚障害者なので、筆談でこう書いてくれた。

「お見舞いの病室には親戚と仲良ししか入れない。私は仲良しなので行きました。南部さんとはるな愛さんと3人で時々、食事をしていました」

 生粋のエンターテイナーである南部さんとはいえ、腎臓移植後は体調に気をつけ、糖尿病の生活習慣を改める節制生活を送るようになったという。

「奥さまによれば、病院から退院した後は、お酒は控えるようにしていたようです。自宅でお酒を飲むのは年に1~2回程度で、ほとんど飲まなかったそうです。糖尿病の治療に前向きに取り組んでいたと、奥さまがおっしゃっていました。奥さまからいただいた腎臓を大事にしていたんでしょうね」(まさみさん)

 腎臓だけではなく、南部さんは糖尿病の合併症で、心臓手術を受けたこともあったという。

「晩年は体のあちこちが悪かったようです。ただ、体調が悪くなってしばらく休むことはあっても、必ず復活してきました。エスパーさんが亡くなったころも体調が悪く仕事も休まれていましたが、また絶対に復活されるだろうと思っていたので、亡くなったと聞いたときは『まさか……』という気持ちでした」(同)

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