一番人気は、ランボルギーニ・カウンタックLP400とフェラーリ512bbのスーパーカー横綱対決。結果は、カウンタックが300㎞/h、フェラーリが302㎞/hであった。そのわずか2㎞/hの差に、当時の子供たちは狂喜乱舞。フェラーリファンが「最高速こそすべて」と語れば、カウンタックファンが「コーナリング性能も含めれば負けていない」という〝口(くち)プロレス〟が、全国各地で繰り広げられたのだった。しかし、この値は実測ではなく、諸元や空力特性をもとに算出した「希望的観測値」で、実際は……。

カウンタックLPI800-4のカタログ上の性能は、0→100km/h加速=2.8秒、0→200km/h加速=8.6秒、最高速度355kmとなっている(写真提供/ボロネーゼ株式会社)。

 それでも、ウエッジシェイプのスタイルやポップアップ式のドアなどのインパクトから、総合的な人気は、最高速で負けていたカウンタックに軍配が上がっていた。あれから40 年以上が経過し、カウンタックはディアブロ、ムルシエラゴ、アヴェンタドールと変化しながら進化を遂げ、絶対的な性能はもちろん、乗りやすさや扱いやすさも格段に向上している。そして、クルマの評価者として「クルマはスペックだけでは語れないよな」と思いながらも、スーパーカーの場合は思わず諸元を見比べてしまう自分もいるの である。

山本シンヤ(やまもとしんや)/自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるべく「自動車研究家」として活動中
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