■FC東京「A」
クラモフスキー監督続投で昨季11位からの巻き返しを狙うシーズン。オフは精力的かつ素早い動きで次々と補強に成功した。
スピード抜群で実績のあるFW小柏剛(←札幌)、ボール奪取力と展開力を兼ね備えたボランチに成長したMF高宇洋(←新潟)、そして不振が続きながらも争奪戦となった天才MF荒木遼太郎(←鹿島)を手に入れ、さらに左サイドからのドリブル突破が魅力で日本代表招集歴もあるMF遠藤渓太(←ウニオン・ベルリン)の獲得にも成功した。
いずれも20代前半から中盤で今後の成長と長い活躍を期待できるタレントたちであり、特別強化指定選手としてすでにJデビュー済みのMF安斎颯馬(←早稲田大)、ユース出身で出戻りとなるDF岡哲平(←明治大)、U-19日本代表GK小林将天(FC東京U-18)も含めて、将来性という意味でも楽しみな選手が多い。
一方、主力で退団したのは、GKヤクブ・スウォビィク、MF渡邊凌磨の2人で、期待の大型FW熊田直紀はベルギーへ期限付き移籍となったが、間違いなくプラス面の方が大きい。DFラインにも実績のある選手を獲得してテコ入れが欲しかったところだが、全体的には満足できる補強だと言える。
■東京V「B」
16年ぶりのJ1復帰に盛り上がる中、オフも積極的に動いた。資金力の乏しさを指摘されながらも、新10番として技術と得点力を兼ね備えるMF見木友(←千葉)を筆頭に、いずれも期限付き移籍ではあるが、大型FWの木村勇大(←京都)、右サイドアタッカーの山田楓喜(京都)という五輪代表クラスの若手に、突破力とパンチ力のある山見大登(←G大阪)と活きの良いタレントを獲得に成功した。
さらに同じJ2を戦ったライバルクラブからDF河村匠(←いわきFC)、MF永井颯太、(←いわきFC)、DF袴田裕太郎(←大宮)、MF翁長聖(←町田)を加えて選手層のアップに成功。レンタル加入でJ1昇格の立役者となった中原輝を引き止めることはできなかったことは残念が、他クラブからのオファーが伝えられた右SB宮原和也は残留。シーズン途中から1トップとして奮闘した染野唯月もレンタル延長の形で今季も緑にユニフォームに袖を通す。
昨季のチーム編成のままでは明らかな戦力不足だったが、J1仕様のチームに整えることに成功。フロントの働きは非常に評価できる。ただ、それでもJ1で中位以上を狙えるかどうかは疑問。強力な助っ人外国人が欲しいところではある。