同指数は、この1年で約42%、3年で約33%、5年で約148%それぞれ上昇した(1月末時点)。オルカンの連動対象である株価指数「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」の1年で約15%、3年で約20%、5年で62%を上回る。

 あくまで連動先の指数そのものの推移をドル建てで比べたものなので、実際に投資した場合に得られる利益とは異なるが、最近の上昇相場で得られる恩恵はより大きいことが分かる。

『割り切れる』人なら

 さらに、もっと投資対象を絞りたい場合には個別株や新興国株も選択肢となる。藤川さんは続ける。

「あくまで過去の実績にもとづくものですが、個別株なら日本株よりも米国株のほうがリターンは大きい。日本株でも、一つひとつみていけば、高いリターンが得られる銘柄も十分にあります。浮き沈みはありますが、将来の成長性を考えるとインドなど新興国のポテンシャルが大きいのは確か。オルカンの成績を上回る可能性も否定はできないでしょう」

 とはいえ、ハイリターンを狙った投資には、大きなリスクがあることも忘れてはいけない。藤川さんも「ほとんどの人にとってハイリスクの投資はメーンになり得ない」と指摘する。

「高収入や資産の多い人、過去の暴落局面を経験したことのある投資家はもちろん、資産は少なくても家計への負担の少ない範囲で投資を考えている人など、何かあった場合に『割り切れる』人ならよいのですが、そうでないなら、ハイリターンを狙うにしても自分が許容できる範囲で限定的に行うべきです」

 自分の資産の内容や家族構成、資金需要のタイミング、さらにどの程度の投資期間を考えているかなど、一人ひとりの事情は違う。「非課税」のメリットを最大限生かすためにも、自分に合った戦略を練ってみよう。投資はくれぐれも自己責任で。

(AERA dot.編集部・池田正史)

著者プロフィールを見る
池田正史

池田正史

主に身のまわりのお金の問題について取材しています。普段暮らしていてつい見過ごしがちな問題を見つけられるように勉強中です。その地方特有の経済や産業にも関心があります。1975年、茨城県生まれ。慶応大学卒。信託銀行退職後、環境や途上国支援の業界紙、週刊エコノミスト編集部、月刊ニュースがわかる編集室、週刊朝日編集部などを経て現職。

池田正史の記事一覧はこちら
暮らしとモノ班 for promotion
防災対策グッズを備えてますか?Amazon スマイルSALEでお得に準備(9/4(水)まで)