新NISAをきっかけに投資を始めた人は多いだろう。買った商品が値下がりすれば、投資の初心者にとって大きな心の負担になる。さらに対応を誤れば、その後の資産形成にも影を落としかねない。
オルカンへの一極集中が課題になるのは「守り」の面からだけではない。「攻め」の面からも気がかりの点があるという。
前出の藤川さんは次のように話す。
「新NISAの最大のメリットは、運用や配当によって得られる利益に税金がかからないことです。このメリットを最大限生かそうと思うなら、利益を最大限に伸ばすことが重要になります。リターンだけに目を向けるならば、オルカン以外の商品にも目を向けてもいいのではないでしょうか」
ではより多くのリターンを得たい場合、どんな商品を狙うべきか。藤川さんは「投資対象がもっと絞り込まれたもの」を提案する。
例えばその一つが「ナスダック100指数」に連動したファンドだ。同指数は、米ナスダック市場に上場する金融セクター以外の銘柄のうち、流動性が高く、時価総額の大きな上位100社で構成される。
より大きなリターン
「米アップルや米マイクロソフト、米アマゾンといった、米国を代表する有力なIT企業を含み、世界中の銘柄に投資するオルカンと重なる企業もありますが、投資先を絞り込んでいる分、株価上昇時はより大きなリターンが期待できます」
ナスダック100指数に連動する商品には、三菱UFJアセットマネジメントの「eMAXIS(イーマクシス)NASDAQ(ナスダック)100インデックス」や、楽天投信投資顧問の「楽天・NASDAQ-100インデックス・ファンド」、ニッセイアセットマネジメントの「ニッセイNASDAQ100インデックスファンド」などがある。