近年は侍ジャパンなどの国際試合も多くなり、球団の垣根を超えて選手同士の仲が良くなっていると指摘されるが、ファンも同様のようだ。現代の阪神ファンは巨人に対して強烈なライバル心を持つような昭和、平成時代のようなことはないという。
とはいえ、やはり阪神、巨人は関西と関東を代表する人気球団。長年、互いに“宿敵”として戦ってきただけに、シーズンがさらに盛り上がるためには両球団がバチバチ戦う姿を期待する声も多い。
「営業的な立場から伝統の一戦を盛り上げたい。昭和や平成時代のファンは相手球団に憎しみにも似た感情持ちつつ贔屓球団を応援してきた。その世代は歳をとって裕福に暮らしている人が多いので、再び興味を持ってお金を使って欲しいのです」(スポーツマネージメント会社関係者)
かつて阪神と巨人の試合はチケット入手が困難なことで有名だった。しかし近年は開幕戦や大型連休などが重ならなければ完売まで時間を要することもある。“伝統の一戦”の価値が低下しているのは否めないが、阪神が日本一となり、巨人が創設90周年を迎える今年は盛り上げるのには最高のタイミングだ。
「巨人は2年連続Bクラスと苦戦、平日開催の巨人戦では甲子園に空席ができる時もある。今では広島戦や交流戦の方がプラチナ化しているが、伝統の一戦という響きに勝るものはない。ブランド力を再び輝かせるために今年は大事」(阪神関係者)
「昭和や平成ファンはテレビ世代。伝統の一戦が盛り上がった頃を知る彼らが盛り上がれば地上波テレビ中継を増やせる。 ネットやCS、BSに押され気味ではあるが地上波の影響力は強く、放映権料は比べ物にならないほど高い」(関西地区テレビ局関係者)
両球団で展開するプロジェクト「伝統の一戦~THE CLASSIC SERIES~」が今年も開催されることが発表された。球団創設90周年を迎えた巨人は阿部慎之助新監督を迎え、大型補強と呼べるものではないが、適材適所の選手を獲得して着実に戦力がアップした印象を受ける。阪神にとっては岡田監督が分析するように手ごわい相手になるかもしれない。