阪神が黄金時代の到来を予感させているが、同球団の関係者などには巨人が“ライバル”として浮上してくることに期待する声もあるという。かつてほど阪神と巨人の間に特別な感情はなくなっているというが、今年は伝統球団同士の火花散る戦いを見ることができるのだろうか……。
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阪神を指揮する岡田彰布監督は「今シーズン警戒すべきは巨人」とオフのテレビ出演などで度々口にしている。
昨季はリーグ優勝そして日本一にまで上り詰め、岡田監督が口にした「アレ」は流行語大賞を受賞するなど社会現象を巻き起こした。チーム編成と現場のバランスが取れた姿は強い球団の見本。今年も強い阪神を見ることができそうだが、連覇に向けての“壁”として立ちはだかるのは巨人だと指揮官は見ている。
岡田監督が「勝ち過ぎ」と振り返るように昨季は巨人を18勝6敗1分とカモにした。18勝と貯金12は両球団対戦史上、阪神にとってはともに最多となるものだった。しかし「こんな力の差はない、ハッキリ言うて」とMBSテレビ「せやねん!」に生出演した際にコメントしている。
伝統の一戦と呼ばれる阪神vs巨人戦だが、1リーグ時代も含めこれまで2000試合以上戦い、1950年の2リーグ分立以降は阪神の791勝1031敗73分けとライバルとは呼べぬほどの差がある。しかし昨年を含め、ここ3年は阪神が勝ち越し。最近の両球団の勢いを鑑みても、これから阪神が押し返していきそうな雰囲気が漂う。
「以前と異なり阪神関係者、ファンに苦手意識は一切ない。巨人がここ2シーズンBクラスに低迷、加えてオフ期間の大型補強を自重していることもあり憎き相手という印象もない。若年層ファンを中心に『同一リーグの中の1球団』という位置付け」(阪神担当記者)
今や阪神にとって巨人は特別な球団ではなくなっているようだ。以前は甲子園、後楽園(現・東京ドーム)で常に熱い戦いが繰り広げられ、ファンもヒートアップしていたが、今では絶対に負けたくないという感情は薄れつつあるという。
「令和の若いファンにとって試合の勝ち負けには一喜一憂するが、他球団選手やファンはユニフォームは異なる仲間という感覚。侍ジャパンやオールスターで他球団選手の応援をできるのが楽しい。伝統の一戦や因縁試合という概念はない」(20代の阪神ファン)